僕がブラック部門に配属された話
スリザリンは嫌だスリザリンは嫌だスリザリンは嫌だ
スリザリーーーン!!!
茫然自失である。その日のことはあまり覚えていない。
かくして、ブラック企業の中でも最大のブラック部門に配属されることとなったのである。そこは、最下流工程であるため、納期に追われていることが多い。そこに部下を詰めることならだれにも負けない、サイコパス上司がいるのである。結果、サービス残業の温床となった。みな、私生活を失うことより、上司に詰められることを恐れ、納期を守るためにサービス残業を厭わない。
私がOJTで仕事を習うことになったのは、そこでも指折りの技術者で、サイコパス上司を補佐する立場にある中堅社員だった。周りからの信頼も厚く、僕以外にも若手や中途採用の社員たちに仕事を教えていた。だが、初日の昼休憩前、彼は内臓がイカれて昼ご飯が食べられないと僕に告げた。理由は決して語らないが、僕には確信があった。絶対にサイコパス上司の詰めのせいだ。
サイコパス班長は若手、中途、中堅、新入社員問わず、8時間分の工程をこなすことを要求する。しかし、数人の中堅を除く、多数の社員はまだまだそのレベルには程遠い。その結果、繁忙期でないにもかかわらず、納期が近くなるにつれ1日3~5時間程度の残業が発生することが多い。そしてそのほとんどの責任の所在は上司を補佐する立場にある中堅社員とされ、代表して詰められる。いちいち手を止めてもらって、仕事を習っている身としては気が気でない。
仮配属されて一ヶ月弱、サイコパス上司は僕を含む新入社員には優しかった。しかし、本日初めて僕のこなす工程の少なさに対して警告があった。僕の内臓がイカれる日も近いかもしれない。